観戦記その365

2006J1リーグ第9節
小瀬スポーツ公園陸上競技場
ヴァンフォーレ甲府vs横浜F・マリノス

去年、ニコスのJリーグカード会員限定のチケットプレゼントに当選し、J2リーグのヴァンフォーレ甲府vs水戸ホーリーホックを満喫してきた。
あの時はまさか、翌年にJ1で当たるなどとは思っていなかったが、札幌で奇跡の逆転劇から、奇跡の京都戦勝利や停電にダブルハットトリックなど、話題に事欠かない形でJ1へ滑り込み昇格を果たしてきた。
昨年ヴァンフォーレを見たのは小瀬でだけではなく、天皇杯4回戦のジェフ千葉戦を市原で見て、入れ替え戦第2戦の柏レイソル戦をビデオで見ている。
その3試合からの判断では、目覚しい成長としっかりした内容の攻撃サッカー、攻撃サッカーながらしっかり走る様は大熊監督時代のFC東京を彷彿とさせるような、まじめなサッカーをする印象。
マリノスはよく初物に弱いと言うが、大体この手の相手に不覚を取ってしまうのが典型的なそのパターン。ある意味どこよりも油断のできない相手になる。
ちなみに、初顔合わせは2000年4月のナビスコカップになるが、当時の甲府はスポンサーが指で数えられる程度、閑古鳥も鳴きJリーグ記録となる25連敗も喫した頃。アウェイで2−0、ホームで5−1と2勝しているが、参考にはならない。

今回、去年も利用した「ホリデー快速ビューやまなし」に乗車できた。
まずはJR中央線で新宿まで行き、新宿から小淵沢行きの快速列車である、そのホリデー快速ビューやまなしで甲府まで。
この列車、休日のみの列車で一見特急列車だが、普通列車であり特急料金は不要だという。快適に乗れて高尾で乗り換えをする必要がないのだから、これを利用しない手はない。
いやぁ快適。2階建て車両で、のどかな山あいが見渡せる。これぞまさに小旅行。遠征の楽しみの一つでもある。

中央線で来られます。
↑甲府駅に着きました。

11時ごろ、甲府駅に到着。一年ぶりに来たなぁ。
駅前では、募金活動をやっている中学生か高校生ほどの女の子たちが。
素通りするのも悪いというか、マリノスサポーターって冷たいなと思われるのもなんだったので、余った小銭だけだが募金しておいた。
すると募金している女の子、「ヴァンフォーレも応援してくださいよ〜。」なんて言う。
変わったものだ。6年前なんてヴァンフォーレ甲府のノボリや旗など見ることはなく、財政難。
当時白石美帆が取材した時には「税金の無駄遣い」とまで、地元の人に切り捨てられていたものだ。
それが今では山梨の人たちに知られ、愛され、山梨の誇りとして存在している。そんなところに感動しちゃったな(*´ー`)。

アウェイサポーターは観光客、という感覚かねぇ。 応援頑張ってだなんて、そのうち言えなくなるぞ〜。
↑山梨駅構内。歓迎されちゃってます(;´∀`)。

いきなり小瀬へ向かうには時間が早かったので、ほうとう屋さん「小作」で本場山梨のほうとうを食した。
店の客は大半がマリノスサポーター。やっぱり、せっかく甲府まで来たからにはほうとうを食べておきたいもんね。
しかしまぁ、ヴァンフォーレ甲府が試合をやるたびにアウェイサポーターが食べに来るのなら、ヴァンフォーレがもたらす経済効果というのは大きいのかもな。
もうこれで、ヴァンフォーレが税金の無駄遣いなどとは言わせない。こうしてアウェイサポーターが山梨県内にお金を落としているんだから。
それにしても、ほうとうってボリュームたっぷりなんだな。食べきれずに残してしまった。もうお腹いっぱいだ。

小瀬スポーツ公園行きのシャトルバスに乗車。
バスは25分ほどして、少し大回りしたが無事到着。あえて混む道を避けたのかも知れない。
ちょうど開門する頃で、列に並んで入場。おお、小瀬の新しいゴール裏ができている!

360度、山に囲まれてます。
↑入場時の場内。

入場して応援場所を確保すると、まずはヴァンフォーレ甲府ヴィクトリーカレーを購入。
これが甲州ワインビーフを使用していて、お肉が柔らかくおいしいのだ。レトルトカレーで、400円。ここに来た際は必ず買う。

ホーム、ヴァンフォーレ甲府のスタメン。
GK阿部謙作。
DF杉山新、ビジュ、秋本倫孝、山本英臣。
MF林健太郎、倉貫一毅、藤田健。
FW宇留野純、バレー、石原克哉。
控えはGK松下太輔、DF松田勉、奈須伸也、保坂一成、FW堀井岳也、長谷川太郎、山崎光太郎。

気がつくと、場内でのメンバー紹介が既に始まっていた。
やはり一番厄介なのはバレーになるのだが、周囲の反応はバレー以外知らないという印象。
バレー以外に対して、自分以外誰一人ブーイングをしないとは思わなかった。
あまりにブーイングが起こらないので、普段はしない自分がブーイングをして浮く羽目に。
倉貫、藤田(旧姓太田)、石原克哉は要注意。バレーだけのチームだったら、バレーを抑えて済んでしまうはず。そんなに甲府は甘くない。
長谷川太郎はブーイングするほどじゃないだろう、とまで言う人も。
しかし長谷川太郎は6年前、この小瀬でのプレシーズンマッチで、当時柏レイソルの長谷川太郎が横浜F・マリノス相手に見事なジャンピングボレーを炸裂させ、ゴールを決めた。
それだけでもブーイングする価値はあると思うのだが、プレシーズンで決められたことを知らないのは仕方ないにしても、スピード系の厄介なFWだってことも、みんな知らないんだろうなぁ…。

「♂」は戦いの神マルスを象徴しているのだとか。
↑ヴァンフォーレ甲府サポーター。

アウェイ、横浜F・マリノスのスタメン。
GK榎本哲也。
DF松田直樹、中澤佑二、河合竜二。
MF田中隼磨、奥大介、マグロン、ドゥトラ、平野孝。
FW久保竜彦、大島秀夫。
控えはGK榎本達也、DF栗原勇蔵、那須大亮、天野貴史、MF上野良治、狩野健太、FWハーフナー・マイク。

GKが榎本哲也に変わった。前節の榎本達也のポジショニングはやはりおかしく、結果失点にもつながってしまっている。
榎本哲也の場合は、別の部分で安定感が達也より劣るのかも知れないが、変な飛び出しやミスキックは少ない。期待しよう。

ゴール裏は一杯。
↑今日の応援。

15時になり、試合開始!
いきなり左から攻め込み、久保竜彦がシュート!これは難なく防がれるが、いいジャブにはなったかも。

ヴァンフォーレ甲府がボールを持って攻撃になると、一気にメインスタンドとバックスタンドが沸き立つ。
前半13分、マリノスゴール前ふわっと上がったボールにバレーのヘッド炸裂!これはゴールの角の斜め上にそれて、事なきを得る。
しかし、このプレーに大きなどよめきと歓声、そして拍手がこだまする。6年前ナビスコで足を運んだ人には味わえなかったであろう、純粋なアウェイである。

前半28分、久保がゴール前でGKに背を向けて受けて、決定的チャンス!
しかしシュートに行くももつれて転倒、こぼれ玉に田中隼磨がシュートに行ったが、外れてしまう。

前半38分、山なりのボールに中澤佑二がまさかの処理ミス!かぶってしまい、後ろへ流れたボールにバレーが走りこむが、シュートが外れてセーフ。
おいおい佑二、もうすぐW杯を控える日本代表DFとしては致命的なミス。前節の失点もあるし、本調子じゃなくなっているのが気がかりなところ。

前半終了。0−0。
押してはいたと思うが、ひやりとさせたのは甲府だったとも思える。

雨は降っていない。
↑ハーフタイム。

後半開始!

後半も前半と同じく攻め込む割合は高め。ピンチもしばしば。
甲府ゴール前にクロスが上がるが、それが久保や大島の頭に合わず、頭とボールがすれ違うシーンが目立つ。

後半32分、ドゥトラがウラへ抜けるが、ゴールライン付近で杉山新、ビジュらに対処されたところで倒れる。
その後、しばらくドゥトラが起き上がらない。これはある程度の離脱を余儀なくされる負傷になってしまうのかな…。当分、さらに厳しくなるな。
担架で運ばれた後、那須大亮と交代。那須がそのまま左サイドに入った。

後半40分、狩野健太のコーナーキック。
ゴール前で混戦になったり、マグロンのバックヘッドなどでゴールを狙うが、惜しくも決まらない。

後半ロスタイム、甲府のカウンター!
右サイドを石原克哉が持ち込み、クロス!最後はバレーのヘッドが決まり、ゴール。1−0。
ロスタイムの劇的なゴールが決まってしまった。これには小瀬の観衆が沸き返る。

劇的ゴールから程なくして、1−0で試合終了。

ヴァンフォーレ甲府劇場と化しました_| ̄|○。
↑試合終了直後。

決められないと、最後にこうなるのは一種のお約束みたいなもんかねぇ。
攻め込む回数で上回っても、ゴールを入れなければ意味がない。
決めきれずに初物や格下に負けるのは横浜マリノスの頃からの悪い癖だが、今回はフィニッシュに凝り過ぎたり、相手に合わせたりと、その悪さが顕著に出た印象。
ヴァンフォーレ甲府を甘く見てほしくなかったが、自分の周囲のサポーターは如実に甘く見ていた。これでなめきっていたサポーターはやっと目が覚めてくれると思う。
いくら相手が善玉だからって、負けていいという理屈はない。勝負は運などもあるし、仕方のない負けはあるかもしれないが、今回は自分たちのふがいなさに敗因があったはず。それを改善していこう。

スタジアムからシャトルバスでは渋滞にはまるのが想定されるので、タクシーで甲府駅まで。
甲府駅までならメーター関係なく2100円で、乗り合いにすることで安く乗車。3人で乗れたので、700円。
もう2人、通りがかりでいいから集められれば、一人の支払いを420円までに安くできたのだが。
タクシーは自由にすいている道を選んでくれるのだが、やはり山梨は車社会。多少は道が混んで、ゆっくりになることも。

武田信玄公、サッカーの武田軍は強くなりました。
↑甲府駅前の武田信玄像。

甲府駅に到着。どうにか18時には充分間に合った。そのあたりの特急で帰ろうかと思ったが、お土産を買った後に18時半過ぎの特急あずさ32号に変更。
こっちのあずさの方が千葉駅まで直行してくれるし、高尾や新宿で乗り換えせずに楽をして、明日以降の仕事へ、スムーズに戻れるようにしないと。
千葉駅までの乗車時間が思いのほか長く2時間半ほどかかったが、無事帰宅。

水曜にナビスコ杯をはさんで、来週はサンフレッチェ広島戦。そろそろ勝っておかないと、下の順位争いに突入してしまうぞ。


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